骨粗鬆症
骨粗鬆症とは
骨には新しく骨を作る細胞(骨芽細胞)と古くなった骨を壊す細胞(破骨細胞)が存在し、常に新しく生まれ変わっています。このバランスが崩れ、破骨細胞がつよくなると骨粗鬆症になります。
骨粗鬆症になると骨が弱くなって骨折しやすくなります。骨を支えている骨梁という、文字通り建物を支える役割を担う“梁”にあたるものが、細くなり、さらに本数も減ることで、スカスカの状態になり、骨強度が低下してしまいます。そうなると転倒などによる場合はもちろんのこと、座る、くしゃみをするなどの軽微な力でも骨折してしまう危険性があります。高齢になってからの骨折は生活の質の低下につながります。介護を要する状態になったり、健康寿命(自力で歩いたり、身の回り動作ができる期間)が短くなってしまう危険性があります。骨折を予防するためには骨粗鬆症をできるだけ早く診断し、治療を始めることが重要です。
現在、約10人に1人が骨粗鬆症であると言われており、その多くが女性で、80歳以上の女性では2人に1人以上が罹患しているとされています。これは女性ホルモンの一種で、骨の新陳代謝に際して骨からカルシウムが溶け出すのを抑制し、骨吸収を緩やかにするエストロゲンというホルモンの分泌量が、閉経期に低下し、骨形成のバランスが崩れるからです。他にも、もともと女性は男性に比べて骨量が少なく、またダイエット等によってカルシウムの貯蓄量が少なくなっていることも、女性に多い理由と考えられています。閉経期を迎える50歳前後の女性の方は、一度、骨粗鬆症の検査を受けておくことをお勧めします。
骨粗鬆症の原因としては、このほか、関節リウマチや甲状腺、副甲状腺の病気、ステロイド剤の長期使用などが原因となるもの、また、カルシウムの摂取不足や運動不足、さらには糖尿病などの生活習慣病も骨粗鬆症の誘因となることがわかっています。これは、骨密度は正常であるものの、高血糖などが影響し、骨質が劣化するためと考えられています。こうしたことから近年では、男性の骨粗鬆症も増加傾向にあります。
骨粗鬆症の検査
骨粗鬆症の診断に際しては、丁寧な問診を行った上、骨密度の測定を行います。当院ではDEXA法により、骨密度を測定します。結果は即日説明します。
DEXAはDual Energy X-ray Absorptiometryの略で、DEXA法による検査では、2種類の異なるX線を、骨密度検査で有効な部位とされる腰椎と大腿骨部の二か所に照射して骨密度を測定します。撮影台に横になっていただくだけで、痛みもなく、10分前後で終了します。
超音波法やMD法、CT法など他の測定法に比べて、より高い精度が期待できる検査方法とされており、またX線の照射量は胸部レントゲンと比較し低被ばくとなっています。
背骨のレントゲン検査で骨折の有無を確認します。骨粗鬆症の方は自分で気づかずに背骨に骨折を生じていることがあります(いつの間にか骨折)。
治療をおこなう場合は血液検査を行い、適切な薬を選択します。
骨粗鬆症の治療
骨粗鬆症の治療では、骨がもろくなっていくのを抑え、骨折を防ぐことが重要です。そのため、骨粗鬆症と診断された場合は、骨密度の低下を抑制するための薬物治療が中心となりますが、日ごろから食事や運動など、生活習慣の改善を通じての骨の強化も重要です。これは現在、骨粗鬆症と診断されていない方も、日々、心がけていくことが大切です。
食事療法
食事療法では、骨の主成分であるカルシウムに加え、ビタミンD、ビタミンKなど、骨の形成の代謝作用を促進する栄養素を取るよう心がけましょう。カルシウムとビタミンを同時に取ることで、腸管でカルシウムが吸収されやすくなります。たんぱく質も摂取量が少ないと骨密度の低下を招きます。乳製品や野菜、肉などをバランスのよい食事が重要です。ビタミンDは、日光に当たることによって皮膚で作られるので、散歩や窓際で日光に当たるようにすることも有効です。
アルコールやカフェインは取りすぎないようにし、喫煙する方は禁煙することをお勧めします。特に女性ではエストロゲンの分泌が妨げられ、喫煙習慣のある女性は、骨粗鬆症のリスクが喫煙しない女性と比べより高くなります。また、ニコチンの影響で血流が悪くなり、カルシウムが吸収されにくくなることによって骨密度が低下し、喫煙者の骨折リスクは、非喫煙者に比べの約1.3~1.8倍になるといわれています。
※食事療法については、他の病気の合併などにより、気を付けなければいけない食べ物もありますので、医師にご相談ください。
運動療法
運動は筋肉の量や質を高めるだけでなく、骨に負荷がかかることで骨を作る細胞が活性化し、骨を強くすることができ、適度な運動をすることは骨粗鬆症の予防になります。階段の上り下りや、軽いウォーキングなど、日常生活の中で、無理のない範囲での運動をすることは骨粗鬆症対策に有効です。また戸外のウォーキングは、日光に当たることによって、ビタミンD作り出すことにつながります。
ただし、すでに骨粗鬆症が進行している場合など、転倒や骨折につながってしまう場合もありますので、医師と十分に相談の上、運動の種類や強度など、医師の指示に従って行うようにしてください。
薬物療法
治療薬としては、以下のようなものがあります。
骨吸収を抑制する薬 | SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)やビスフォスフォネート製剤など |
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骨形成を促進する薬 | 活性型ビタミンD3製剤、テリパラチド(副甲状腺ホルモン)など |
これらの薬剤には内服薬、医療機関でおこなう注射薬、在宅自己注射薬などがあり、投薬の頻度も毎日、週に一度、月に一度などさまざまです。当院では、一人一人の症状や検査結果、ご希望にあわせて治療薬を選択しています。
薬物治療中は治療の効果や副作用を確認するために定期的に骨密度の測定、血液検査、背骨のレントゲン検査などをおこないます。
072-800-4155
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日祝 |
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9:00~12:00 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | / |
16:00~19:00 | ● | ● | ● | / | ● | / | / |
休診日:木・土曜午後、日曜・祝日
- 院長
- 淵矢 剛司(ふちや つよし)
- 診療内容
- 整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科
- 住所
- 〒571-0008 大阪府門真市東江端町10-38
- アクセス
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