リウマチ

関節リウマチは、おもに手の指や手首などの関節から炎症が起こり、痛みや腫れを引き起こす病気です。原因はまだよくわかっていませんが、自己免疫の異常によって引き起こされると考えられています。遺伝が関係するとも言われていますが、家族にリウマチの患者さんがいたとしても、必ずしも発症するわけではありません。

本来、自分の体を異物から守る免疫システムですが、その異常が関節で起こり、関節液を作る役割をもつ、関節の滑膜という組織にリンパ系細胞が集まって滑膜炎などの反応を起こします。この時、免疫細胞から作られる「サイトカイン」というたんぱく質が炎症を悪化させます。炎症が進行してしまうと、関節が変形したり、機能が低下したり、さらには
関節の軟骨や骨を破壊してしまいます。一度破壊された関節は元に戻らず、日常生活も困難になってしまうため、早期の治療開始がとても重要になります。

関節リウマチの初期の症状の特徴としては、関節の痛みやこわばり、また、関節部分が腫れ、押すとぶよぶよとした感じになります。とくに代表的な症状としては、「朝のこわばり」というものがあります。これは、朝起きて30分程度、指などの関節が固まったようになり、動かしづらくなるもので、病気が進行するほど、なかなか元に戻らなくなります。また、片方だけでなく左右対称に痛みが起こることも関節リウマチの特徴です。さらに、関節などの症状だけでなく疲労倦怠感や微熱、食欲不振などの全身症状も表れます。

関節リウマチの患者さんは、約8割が女性で、男性よりも女性の方が4倍発症しやすい病気です。また、30～50代で発症することが多く、特に働き盛りである40代での発症が多いとされています。一方、60歳を過ぎての発症や、若年性関節リウマチといって、高校生以下の若い年齢層で発症する場合もあります。高齢者では、男女の発症比率は小さくなっています。

関節リウマチでは、生活の中で、以下のような症状を感じる場合があります。

• 朝、起きた時に手足などの関節がこわばり、10分～1時間以上に及ぶことがある
• ドアノブが回しにくいと感じる
• 歯ブラシが持ちにくく、うまく歯が磨けない
• ボタンが外しにくくなったり、靴紐が結びづらくなったりした
• 箸やハサミなどの道具がうまく使えない
• 瓶のふたなどが開けられない、また開けるときに痛みを感じる
• 重いものを持つと手首が痛い
• 階段を上り下りすると膝関節が痛い
• 入浴すると体中が痛むことがある
• 全身がだるく、熱っぽさも感じるときがある

このような症状をひとつでも感じられたら、念のためにご受診することをお勧めします。関節リウマチは何よりも早期発見・早期治療が重要です。検査では問診、血液検査、X線検査等を行い、総合的に診断します。変形性関節症、痛風など、リウマチと似た症状を起こす病気と区別することも大切になります。